abc_coffee_71’s blog

時々見たものについて書きます。激遅更新。2021.12.14.~

銀兵衛単独「おっぱいファイアウォール」

2021年12月01日10:00- 座・高円寺
出演者 : 銀兵衛

 

※  ※  ※
このブログを書き終えたのは2021年12月12日。
その2日後の12月14日に銀兵衛が解散を発表しました。
どうしようかと悩んで公開していなかったのですが、供養で公開します。解散を知らないテンションで書いていますので、違和感の原因はそれです。

 

 

 

銀兵衛の「おっぱいファイアウォール」を観ました。連続で11本も漫才見れたので大満足。自分の理解の限界を試されるような漫才を何本も見たのは初めての体験でした。

 

ちなみに銀兵衛を時々追っているライトファンです。元々、マセキの動画から銀兵衛を知り「バナナ」「初詣」「パン屋の店員」の漫才でハマっていきました。特に「初詣」が好きで前半の「おっぱいの大きさで自分の性格決めんな!」という小松さんの正論から後半であゆむさんが暴れるところが大好きです。
その頃にガクヅケ・ひつじねいりとともに単独の開催が発表されたのですが、まだ本格的に銀兵衛を知る前だったのでスルーしていました。ラジオも聴き始め、あゆむさんのワードセンスも独特だと分かり、銀兵衛に明確にハマりました。特にドレミ転校生リスナーの通称が「ロケットランチャー食べ男」に決まった回が好きです。小松さんが漫才協会に所属したことで死生観をアップデートしたエピソードもぐっと来ました。

最初はチケットが取れなかったのですが、運良く戻りでゲットできました。

 

今回の単独は満席で男女比や年齢層が偏っておらず、銀兵衛に興味がある人が全体的に集まっている印象でした。入場時にフライヤーデザインのクリアファイルが配られ「再入場時はこれを見せてください」という仕様。半券の代替だったわけですが、単独グッズが貰えてラッキーと喜んでました。ライブマンの方々ありがとうございます、めちゃくちゃ良い手法だと思います。

客入れからHIPHOPであゆむさんの趣味かなーと思いました。実際に選曲がどちらか分かりませんが、目覚まし時計にAwich「洗脳」を使っているあたりあゆむさんじゃないかなと予想しています。他にも知っているHIPHOPの曲が出囃子で使われており、テンションが上がりました。
出囃子といえば、1本目の「蒼白い街」がマセキのライブで使われている曲だったらしく、お世話になった事務所に対するメッセージだったそうです。後でTwitterを見て知りました。銀兵衛ファンの方が呟きで背景を教えてくれるのはライトファンに優しくて有難かったです。

 

ライブの構成はOP・EDトーク、幕間映像無しで漫才11本、ネタごとに明転飛び出し&挨拶終わり。出てくる毎に「そーゆー目で見よう!」までの挨拶も律儀に。

ネタは、とうもろこし→固めのプリン→フルボッキスキップ→雪見大福→子供を作る→ビンゴ大会→宇宙→アクアパッツァ→たまごっち→オフ→公園、で11本。公演の最後の映像でネタ順を復習させてくれる有難い形式。3本目が「フルボッキスキップ」で笑いが起こってましたね。

1本目。人生で初めて付き合いで食べるもの、とうもろこしの「人間は両手と口が汚れてる時が一番よく分かってない」、「あんま分からないって言う奴が一番分かってない。全然分からないって言う奴の方が分かってる」から心掴まれました。
2本目。固いプリン好きと言っているのに「それ自分で辿り着いたか?」と確認し、固いプリンに自分で辿り着いた人間が政治をするべきと突飛な意見を主張する小松さん、この時点で良いんですが、それを受けてあゆむさんが「それなら俺も政治できる」「レディースデーを増やす。そしたら女の子も嬉しいし、男の子も元気になる」と言っていて、銀兵衛2人とも普通じゃなくて大歓喜でした。
3本目。フルボッキスキップ、純粋に馬鹿馬鹿しくて一番笑いました。「班になって給食食べてる時に隣の班から聞こえてきた会話」が漫才の導入になっていましたが懐かしい光景で若干ノスタルジーを感じてしまった。どんどんファンタジーの方に話は進んでいくんですが、「フルボッキスキップ」という単語が出てきた時に声出して笑いました。語感が良すぎる。
4本目。雪見大福は彼女のパワーワードで思考を遮られた小松さんがその背景を探っていく漫才なんですが、彼女のパワーワードが強い。「雪見大福が冷蔵庫にあるような人生」。彼女が突然に言うにしては鋭角で好きでした。
5本目。これは最初から最後まで独特で一番好きなネタでした。数組の男女が集められた冷房のついていない体育館で、姿を見せず映像を操作し全裸のおじさんと赤ちゃんを交互に見せ男女の様子を観察する小松さん。目的が明らかになった時、発想の凄さに驚きました。「子供を作る」っていうありふれた言い回しをあの視点で見れるのは小松さんだけだと感嘆しました。もう一度見たいです。
6本目。ビンゴ大会あるあるから始まり、小学校の教室から同窓会の二次会に場面を入れ替えながら、小松さんがある事実に気づいてしまう銀兵衛らしいテイストの漫才。「フォーリーチって言ってる奴と友達な訳ないじゃないですか」と笑いながら言う台詞が好きでした。
7本目。一番、見ている側の解釈に委ねられる部分が多い漫才。最後の台詞が「それで喜ぶのが、俺ら」だったので、銀兵衛自身の芸風や芸歴を重ね合わせると別の味わいが出てくるような……。途中のようやく絵を描き始めた場面でただ時間を言っているだけの時間が好きでした。
8本目。女の子の部屋に遊びに行った時の話なんですが、本棚に並んだかいけつゾロリチョコレート城と手料理のアクアパッツァがどうしてか繋がる漫才。「なにもしなかった一日に一矢報いるために知らない料理を作る」というフレーズが大好きでしたね。
9本目。バイトに行かないといけないのに途中下車する漫才なのですが、見ていて不思議な感覚になりました。最初小松さんの理屈が全く分からなかったのに、中盤はっきりと納得できたのです。銀兵衛でしか味わえない体験でしたね。8本も銀兵衛の漫才を見ていたので麻痺していたのかもしれない。
10本目。オフの日は本当にオフなのか、小松さんの思想が色濃く反映された漫才。死んだ後も電源はついたままというフレーズが印象に残ってます。
11本目。公園のベンチで公園の様子を描写する漫才なのですが、いや、小松さんが気づいたことの理論が綺麗で凄かった。囲碁将棋の「モテる方法」と同じくらい理論の構成が綺麗ではっとする。ある事実に気づいた結果、ある事実は否定されるって凄すぎないか。漫才の最後に「あゆむもいる」と急にあゆむさんも出てきたのが面白かったです。
11本目が終わり舞台袖に銀兵衛が戻るとエンドロールが流れだしました。ネタの香盤、演者・スタッフの方の名前が流れていく中に「マセキ芸能社」とありました。そしてエンディングもなく客席が明るくなりました。

 

単独後、ドレミ転校生でお二人の感想が聞けてよかったです。差し入れのフィナンシェの話が特に面白かった。